海と日本プロジェクトの2024年度を振り返る! 教育・文化・継承で広がる海の学びと活動〜事業者の挑戦と情熱でつなぐ未来 〜
2025.03.27
2024年度も残りわずか。振り返ってみると今年度も海と日本プロジェクトは、たくさんの方々に関わっていただきながら、全国でさまざまな取り組みが実施されました。
例えば海離れが進む子どもたちに向けた海洋体験イベントや、海の現状や課題を学ぶ教育プログラムの実践、また海洋環境や水産資源を守る事業や、海の文化を継承する取り組みなど、テーマも目的も多種多彩。
誰かひとりの願いが活動の発端だとしても、その思いを共有しながらアクションを続けると、やがて輪は大きくなっていくもの。
そんなふうに海と日本プロジェクトの取り組みも、大きくパワーアップしたり、新しい挑戦が芽吹いたりしています。
今回は、そんな2024年度を振り返ってご紹介します。
海への興味が湧いたなら、海を未来へ引き継ぐアクションに、みなさんもぜひ参加してみてください。
未来への希望、子どもたちへの多彩な教育プログラムも充実
謎の解明や課題の解決など、子どもたちの海への学びを深める教育プログラムが今年度もさらに充実しました。
将来の海洋人材を輩出しようと実施する「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」は、従来の駿河湾に加えて今年度は富山湾でも開催。静岡県と富山県の両エリアの小学生たちが交流しながら学びを深めました。
また、専門家のサポートを受けながら10代の若者が海洋や水環境分野の研究に挑戦する「マリンチャレンジプログラム」は、2月の全国大会が8大会目となりました。中高生たちの自由な研究は年々大きな注目を集め、研究成果は今年度も高い評価を受けています。
そして海と日本プロジェクトオリジナル体験学習イベントも、地域ごとのテーマで開催。地元の海に精通した推進パートナーの協力や、参加経験のある卒業生がサポーターとして活躍するケースも増え、地元の海洋学習プログラムとして地域に根付いています。
各地に仲間が増加中。助成事業者たちの情熱で実現した2024年度の活動成果
2024年度に採択された助成事業のなかでも気になる取り組みについて、事業者に直接お話を伺う機会もいただきました。
藻場再生に注力する北三陸のmoovaは、ウニを通して海を考える「第1回JAPAN UNI SUMMIT」を開催。参加者一人ひとりに磯焼け問題の解決に向けたアクションを宣誓してもらったそう。
若者による環境保全活動の普及啓発イベント「THINK for the OCEAN」を実施したのは、ダイバーならではの視点でリアルな海の魅力と現状を伝えているふくおかFUN。
海洋保全に必要な“海の精鋭”を育成していこうと活動を続ける九州大学うみつなぎでは、フェーズ2と位置づけた今年度は、世代を超えたさまざまな“つながり”を意識した教育プログラムを実践中なのだとか。
インタビューに応じてくれた事業者の皆さんに共通するのは、取り組みに対する熱量の高さ。海への熱い思いに触れて、取り組みに参加する仲間もどんどん増えているようです。
海の文化や資産の継承を目指す取り組みもさらに活性化
これまで継続してきた海の文化や資産を守り継承するプロジェクトも、さまざまな進化を見せています。
各地に残る海にまつわる伝承を掘り起こしてアニメ化していく「海ノ民話のまちプロジェクト」では、今年度の制作分をあわせて計92本の海ノ民話アニメーションが完成しました。100作品まで目前ですが、各種動画配信サービスや一部ケーブルテレビでも視聴可能になっています。
また、文化資産でもある灯台を使って地域を活性化しようと「新たな灯台利活用モデル事業」に取り組む灯台のまちでは、ユニークなスペシャルイベントがさまざまに開催され、各地の活用事例を共有した「海と灯台サミット2024」も大盛況。
そして、海洋環境の変化に直面している海の食文化にも、あらためて注目が集まっています。今年度も4エリアで進められた「海のごちそう地域モデル」事業のほか、未利用魚・低利用魚を有効活用する方法が全国各地で模索され、新しい仕組みや食文化が続々と生まれています。
新しい取り組みにも挑戦!2024年度にスタートしたプロジェクトも多彩
2024年度に新しくスタートしたプロジェクトもいくつかご紹介します。
なかなか減らない水辺の事故を減らす挑戦として始動した「海のそなえプロジェクト」は、海や川を安全に楽しめるよう正しいそなえを身につけてもらうことを目指した取り組み。今年度は溺れ事故の実態調査を行い、これまでの常識を刷新する事故の傾向や事例を示しています。
また、海を知る情報を発信する音声コンテンツ「Know The Sea」の配信も始まりました。研究者や漁師、アーティストなどさまざまな業種からゲストを迎え、海とのつながりに思いを馳せるひとときを提供中です。
夏には、中村守里さん演じる主人公が神奈川県三浦の海沿いの食堂をメイドカフェに改装して盛り上げていくというハートフルコメディ「アイメイド・マーメイド」が連続ドラマとして制作・放映され、話題になりました。
そして海ごみゼロを目指す取り組みも拡大中。高校生ごみ拾い日本一を競う「スポGOMI甲子園2024」は6大会目の開催でしたが、“強豪”と呼ばれる学校は先輩からの思いも受け継いでいる様子。また誰もが参加できる「スポGOMIワールドカップ」は、2025年は第2回大会の開催年です。日本代表選出を目指した予選大会が各地で開催されています。
2024年度に大きく飛躍した取り組みもあれば、新しい挑戦となる取り組みも始まっています。これからのアクションの輪の広がりにもぜひご期待ください。