地元の中学生が農業の現場から海ごみゼロ宣言!脱プラスチック肥料を使用した米作りで海ごみゼロ宣言!田植え篇を開催しました。
一般社団法人海と日本プロジェクトin秋田県は、2024年5月23日(木)に『脱プラスチック肥料を使用した米作りで海ごみゼロ宣言!田植え篇』を開催しました。
2024.06.03
一般社団法人海と日本プロジェクトin秋田県は、2024年5月23日(木)に『脱プラスチック肥料を使用した米作りで海ごみゼロ宣言!田植え篇』を開催しました。
このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
開催概要
地域の中学生が実際に農業を体験し米作りを行いながら、農業の現場でもプラスチックを多く使用している現状と海ごみゼロを発信する。普段何気なく食べているお米でも、米作りの過程でプラスチックが多く使用されていて、肥料などから排出されたプラスチックが予期せぬ形で海に流れ着いている現状を学び、地域の農家などに啓発・発信PRを行う。
日程
2024年5月23日(水)
開催場所
秋田県仙北市角館町
参加人数
仙北市立角館中学校 1年生86人
協力団体
雲雀農園
田植え前日には海洋ごみ問題を学びました
今回参加するのは角館中学校の1年生86人。田植えを実施する前に、なぜ田植えで「海洋ごみゼロ宣言」なのか?農業分野からどんなごみが海に流出しているのか?を学ぶために、海洋ごみ対策を学ぶ特別授業を受講しました。この特別授業は秋田県立大学システム科学技術学部機械工学科の境英一准教授が県内の各中学・高校に出向き、生徒に海洋ごみやマイクロプラスチック、プラスチックリサイクルの話を分かりやすく教えています。
角館中学校は県内陸部に位置する仙北市にあり海と面していませんが、海洋ごみの約8割が陸由来のごみであることや、その中でもプラスチック製品は分解される事なく海まで流れ着き、その後小さく裁断されマイクロプラスチックになること、そのマイクロプラスチックを海洋生物が誤って食べて命を落としていることを知り自分たちにも関係があることを学びました。そして農業分野でも多くのプラスチックを使っており、その中には肥料でプラスチック皮膜を使用しており、農家でも知らず知らずのうちにプラスチックを流出している現実を知りました。
海鳥の死骸から大量のプラスチック破片が取り出されたり、日本から流れ出たプラスチックごみが太平洋の海域に集まり、その海域を「プラスチックスープ」と呼ばれていること知った生徒はショックを受けている様子でした。
田植えスタート!
2年連続でこの企画に協力していただくのは地元農家の「雲雀農園」さんです。雲雀さんも4年ほど前までは何も考えずに普通に売られている肥料を使用していましたが、ある時、田んぼの中に白い粒々があるのを発見し調べたところそれがプラスチックだと言うことが分かりました。農家として田畑などの自然を借りて生業を立てている農家が、自然を破壊しているのではないかとショックを受けた雲雀さんは、その後脱プラスチック農業に取り組んでいます。
生徒たちは「海洋ごみゼロ」の取り組みが田植えから始まる事を理解して、いよいよ田植えのスタートです。
一人一人苗を持って田んぼに入っていきますが、裸足で感じる泥の感触や水の冷たさ、そしてカエルなどの生き物にびっくりして各所で「キャー!」や「うおー!」といった悲鳴に近い歓声があがっていました。
初めて手植えをする生徒がほとんどで、雲雀さんや手伝いにきていた農家さんの話をしっかりと聞いて少しづつ苗を植えていきます。
最初は恐る恐る進んでいた生徒たちも慣れてくるとスピードアップ。30分ほどで予定していた場所の田植えを終了しました。
秋には生徒が稲刈りを体験!そして自分たちで販売!
近年の地球温暖化による影響でここ仙北市でも夏には異常な暑さに見舞われることが多くなっていて、雲雀さんは苗の管理など特に気を使っているそうです。地球温暖化にも繋がっている今回の取り組みで生徒たちは、秋には稲刈り、そして仙北市産業祭ではお米の販売を予定しており、自分たちの声で地元農家や農業関係に取り組みの発信と啓発を行っていきます。
参加した生徒の声
・海に面していないから海洋ごみとは関係ないと思っていたが、約8割が陸由来でしかもプラスチックごみはそのまま海までたどり着く事を知り自分でも出来ることを少しづつやっていきたい。
・田植えは初めてで楽しかった。農業からもプラスチックごみが出ていることを伝えていきたい。
イベントレポートは実施事業者からの報告に基づき掲載しています
参加人数:86人